Tunisia・・・

☆☆☆　　チュニジアの風に吹かれて　　その五　　☆☆☆あああああああ

20010/6/22〜28

スケジュールを大幅に変えるらしい。 明日は午後２時４０分の飛行機だから、 渋滞のことを考えて、先に、カルタゴとシディ･ブ･サイドへ行き、 チュニス市内観光とバルドー考古学博物館は明日になった。 もちろん、ドゥッガー遺跡はそのまま、今日の見学。 だから、今日は山間部のドゥッガー遺跡へ行って（チュニスから一時間半） またチュニスに帰って、ランチして、こんどは地中海のカルタゴ、 そしてチュニジアンブルーがもっとも美しいシティ･ブ･サイドという強行軍。 夕食もシティ･ブ･サイドで済ませてから、チュニスへ帰る予定。 明日は帰る日だからいいかなって思うけど・・・ さて、ドゥッガー遺跡。 チュニジア北部にある６５ヘクタールの広さを持つローマ時代の遺跡。 この遺跡は山の中にあるものだから、途中は結構な山道です。 むこうから対向車が来たら、すれ違える所まで、降りて行かなきゃならない。 こんなに暑い季節だから、１台だけ観光バスにすれ違ったけれど、 あとは、工事用の車だけ・・・ でも、こんな山中にも住宅がありました。 不便だとは思うのだけれど、人それぞれ違うものね。 まず入ったところに、野外劇場。 当時は、３，５００人収容。 スベイトラ遺跡の劇場より大分大きい。 客席の一番上から見る景色もすばらしい。 キャピトル。ドゥッガーのシンボル的存在。 コリント様式の柱もしっかり残っている。 遺跡内ではどこからでも見える。 ジュピター、ジュノン、ミネルバーの三神を祀ってありました。 神殿内のへこんだところに、ジュピターの像があったらしい。 スベイトラ遺跡と同じく、公衆浴場があって、温水、冷水のお風呂、サウナ、 フィットネスルーム、くつろぎの間があったらしい。 ゲルマン人によって彫刻の頭の部分は、すべて壊されている。 トリフォムの家は、後に売春宿になったそうです。 って言うか、この当時の宿は、みな売春宿だったそうです。 女の人が旅することは、ほとんどなかったそうなので。 列柱を囲むようにして、小部屋がたくさんあった。 中央は大きなバスルームだったとか。 水洗トイレです。 8人くらい並んで、おしゃべりをしながら用をたすそうです。 下の溝に水が流れていたそうです。 寺院もあとに奴隷市場になりました。 アフリカ中の奴隷がここに集められたそうです。 マーケット、噴水などありました。 途中で遠くにリビコ・フェニック霊廟を見ました。 ベルベル人の王国、ヌミディア王の墓です。 ここではカルタゴ語とヌミディア語のロゼッタストーンみたいなのが、 見つかったそうですが、大英博物館に持っていかれたそうです。 イギリスってなんでも人の国のものを持って行っちゃうのね。 ここもお日さまぎらぎら。 暴力的なおひさまやね〜 風は吹いていて気持ちいいのですが・・・ 石ころだらけの道だし、お話は聞かなあかんし、 お話を聞くための、耳にかけるヘッドフォンで耳が痛くなってくるし、 写真は撮らなあかんし、ドゥッガーの一時間半は、本当に、堪えました(>_<)/ たぶんここで、日に焼けたのかな。ちょっと散漫になってたから。 ここの管理人の、おじさんに、ジャスミンの花をもらいました。 主人に言わせると、あれはジャスミンじゃないと言うのです。 でも、ジャスミンって言われたけれど・・・ まあ、なんでもいいか、ドゥッガー遺跡に咲いていた花だもの。 押し花にして、持って帰ってきました。 出口の売店で買った、アイスクリームのおいしかったこと♪

劇場（当時は、３，５００人収容）	キャピトル。保存状態がいい。	公衆浴場
トリフォムの家	頭の部分はすべて壊されている	ヌミディア王の墓
公衆トイレ	住宅の床のモザイク	サボテンの花が咲いてた。

チュニスに戻って、ランチ。 ここのレストランは、花が咲き乱れていて、 それも、門からエントランスまで、花の道。 サラダ、グリルチキン、ライス、チョコレートケーキ。

レストラン。門から入ったところ。

エントランス。

門からずっと咲いてた花。

そうして、一番楽しみにしていたカルタゴ。 って言っても、チュニジアって言えば、 このカルタゴしか知らなかったもの。 こんなにローマ時代とかビザンチンの遺跡があるなんて、 ぜんぜん、知りませんでした。 カルタゴは、ちゃんと世界史で習ったものね。 ハンニバルの象を使ってのアルプス越えと、 ローマのスキピオの名前は、まだ覚えているもの。 そのカルタゴが見られるっていうだけで、行った気がする。 カルタゴは今、高級住宅街になっています。 ピュルサの丘まで続く道は、ものすごい大きな家ばかり。 それも地中海が、見える場所に、集中して建てられている。 どの国にも、すごい金持ちっているもんだ。 ピュルサの丘。ここからは、地中海とカルタゴの町が一望できます。 あんな色の海を見たのは、はじめて♪ 地中海ってみどり？きみどり？いや違う気がする。 エメラルドグリーンなんて言ってしまえば、おしまいの気がする。 どういえばいいか、海をはじめてみたって感じ。 海ってこんな色だったのって（ーー； うまく言えないけれど・・・ ここは兄から命を狙われた、フェニキアの王女エリッサが、 ティルスの都（今のレバノン）から逃げてきて、 カルタゴ王国を作ったところです。 35年ほど前に、フェニキア時代の住居跡が見つかったそうです。 フェニキア時代のものは、ローマ人に徹底的に破壊されたので、 もうなにも、残っていないと思われていたのですが、 奇跡的に、残っていた部分があったそうです。 建物は破壊され、書物は焼かれ、土地には塩をまかれて、 奇跡の民フェニキア人は、世界史から姿を消したのですから。 人間って、本当に酷いことができるんだ。 ピュルサ丘のあちこちに、無造作に 遺跡から掘り出した像が置いてあります。 ただ、みんな頭部が壊されています。 こんな雨ざらしのところへ、放り出しておいていいのか？ 疲れた人が、座ったりしているんですけど・・・ 顔のない像ばかりだから、その上に、顔を置いて、 写真を撮っている人もいたけれど・・・ そして、カルタゴ博物館へ。 中には、カルタゴ遺跡から見つかったモザイクや像、 土器や、お面、それに模型図が飾ってありました。 カルタゴはこんな街だったという模型図は、 象さんが鼻で木材を運んでいたり、 大きな網で異教徒、あるいは罪人を焼いているところも、 細かく描いてありました。 港から船が出て行く様子も、よくわかりました。 さすが、航海民族フェニキア人です。 紀元前6世紀の人骨が飾ってあったのも、ビックリしました。 二十歳前後の男性の骨だそうですが、完全なもので、 とても、2,500年も前のものとは見えなかった。

地中海を一望。	ピュルサの丘広場。	フェニキア時代の住居。
カルタゴ時代の模型図	港をアップしてみました。	やはり、頭部が壊されている。
魚のモザイク模様。	お面もいろいろあって、おもしろい。	不思議なかたち。

アントニヌスの浴場。 この共同浴場は、二世紀にローマ五賢帝の一人である、 アントニヌス･ピウスにより建設されたもの。 イタリア産の白大理石とカルタゴ産のピンク大理石を使用し、 コリント様式で建てられています。世界遺産です。 ここも、地中海が見渡せる一等地であるため、 隣は大統領官邸が建っている。 よって銃を持った警備員も多くなる。 だから、この遺跡をカメラに取るときに、 少しでも、官邸の方を向いたら、警備員が飛んできて、 すぐ捕まるそうだ。写した人だけでなく、ガイドさんも添乗員さんも、 何回も、あっちの方を撮らないでって言われる。 観光地だからね。撮らないでって言ったって、 いいアングルを考えていると、そっちもちょっとは入るかも・・・ で、あきらめて、海岸の方ばかり撮っています。 この遺跡も広大で、海岸が借景となっています。 復元模型を見てみたらわかると思うけれど、すごいスケール。 ようこんなもんを作ったもんだ、ローマ人。 建物は二階建てのシンメトリーで、更衣室、温浴風呂、水風呂、サウナ、 噴水、図書室、運動場などがあったらしい。 中でも、海に面したプールは、眺望を誇ったとか。そりゃそうでしょう。 冷浴室は２０ｍの柱が８本立ち、 ３０ｍものドームに５０ｍの屋根があったという巨大さ。 当時のお風呂は社交場であり、スポーツジムであり、娯楽施設でもあった。 それにしても大きい！かつデザインもなんか現代風。 目の前の、残された石の残骸と復元模型で想像するしかないけれど・・・ それにしても、この巨大な浴場に大量の水を引いて、湯を沸かすなんて、 ローマ人の建築技術はすごいな〜。 事務所みたいなところで、カルタゴの日本語版のガイドブックを買う。 もう、あと一冊しか残っていなかった。 タイミングがよかったのかな。写真もきれいし、日本語だしね。 出口の所にあったお土産やさんで、モザイクの壁掛けを買う。 あれだけ、モザイクを見せられたら、ひとつほしくなって、 オリーブの木のモザイク模様を買う。まあ、なんていっても、大理石ですから（＾＾） 今は、裏にフェルトを張って、うちの鍋敷きになっていますが・・・ ちょっと思ったより、ずいぶん高かったので、鍋敷きはどうかとおもうのですが、 まあ、使わずに仕舞うよりいいかなって・・・

復元模型。	設計図。	斜め上から、撮った所。
下へ降りると、巨石がごろごろ。	想像力が試される。	利用できる石は、盗られたとか。
これは想像力が掻き立てられます。	つわものどもが夢の跡。	見渡す限り地中海。

そうして、今日、最後の街。シディ・ブ・サイド。 チュニジアで一番、美しい街とされている。 真っ白な壁と、チュニジアンブルーといわれる鮮やかな青の扉や窓枠。 白と青のコントラストが美しい街。 ジャスミン、ブーゲンビリア、ハイビスカスがあちこちに咲いている。 石段の道（いろいろ見てきたあとの、この坂道はきついです。）を、 登りつめれば、地中海が開け、対岸にシチリア島が見えることもあるらしい。 モーパッサンやジイド、ボーヴォワール、大好きなパウル・クレーなど、 多くの作家や芸術家が、この地でバカンスを楽しんだらしい。 まず、坂を上る前に有名なデーツのお店に連れて行かれる。 この時は、デーツなんて、おいしいのって怪しんでいたんだけれど、 デーツの中央に切り目を入れて、その中に、クリームを挟んで、 ケーキのようにしたスイーツを試食させてもらう。 おいしかった。でもクリームが入っているなんて、きっと、 賞味期限が短いねなんて言いながら、ふと棚の上を見ると、 ただ、干しただけのデーツが段ボール箱に入ってる。 一キロって書いてあったけれど、スイーツの10個入りと同じ値段（＠＠ これだと思って、この一キロ入りを一つ買う。 これが正解で、ずーっとまだ食べているけれど、本当に、おいしい。 妹のところにも、お裾分けしたけれど、まだまだ、たくさんある。 賞味期限は2010/12/22と書いてあるから、安心だし(*^^*) ちょっと不思議なところなのですが、この店の値段は、すべてユーロー。 ディナールもドルも扱ってますが、ユーローから計算されるので、 ちょっとレジで手間取るし、再両替だから少し損をするのかも・・・ って言ってたら、一人参加の男の人がなんだか計算違いをされて、 得をしたといっていた。損をしたのじゃないのって言うと、 はじめはそう思ったのだけれど、いろいろ、計算したら結局は、 １０ドルくらい間違って、おつりをくれていたらしい（ーー あんなにいっぺんに、いろんなお金で、買い物をしたから、 お店の人の頭も、こんがらがったのかも。 この1キロの箱を持って、あの坂を上るとは思わなかった。 わたしじゃなくて、主人が持ったのだけれど・・・ この店で、預かってくれると聞いたけれど、 それはたくさん買った人で、わたしたちみたいに、 安いのを一個（ただ重たい）では、預かってはくれない。 なんとかリュックに、詰めて登ってゆく。 両側は、おみやげやさんやカフェや陶器やさん、 花屋さん、画廊、本屋さんなどがあって楽しい。 だけどてっぺんへ、上るまでは、よそ見しないでガイドさんについてゆく。 たくさんの人が歩いているからね。迷子になりそう。 そしてこの国は、どこへ行っても、ドアが美しい。 ただこの街のドアは、特別に美しかった。 ドアだけ、あちこちで写真に撮る。 たとえばね。

上まで登ると、ばーっと視界が広がる。 あ〜、地中海だ。公園になっている。 先に登った人は、みんなここで、休憩をしている。 カメラを撮る人。ボーっと地中海を見てる人。のびている人。いろいろ。 ここで解散で、下の、博物館で４５分後に集まることになる。

博物館の受付。まるでおもちゃみたい。	これはモザイクじゃなくてタイル。	ドアばかり撮っていた気がする。
花でいっぱいの庭。	名前知らないけれど、教会に咲いてた。	ジャスミン売りのおじさん。
カフェ・シディ・シャバーン。	公園からの眺め	ヨットハーバー。

この登りつめたところにある、 カフェ・シディ・シャバーンで、休憩する。 なんだか、高級そうだけれど・・・ トイレも借りたいし、眺めもいいしということで、 ここに決める。で、すっかり忘れていた、フランス語しかだめなんだ(>_<)/ メニューもなし（ーー； ウエイターが言う飲み物の名前の中で選ぶ。 彼はコーヒー、わたしはミックスジュース。 ここまでは何とかいった。 コーヒーはなぜかエスプレッソしかない。 もしかしたら、聞こえなかったのかも・・・ で、何回聞いても、値段がわからない。フィフって聞こえる。 まさか５０ディナールってことないでしょうと １５かなって思って、フィフティーンって聞くとノンって言う。 まさか、本当に５０なのかと思って、フィフティって聞くと、 やはりノンっていう。１５でも５０でもないとしたらフィフってなんだろうと、 もう訳がわからなくなってノートを出し、１５って書いたら、１３って書いた。 やっと、やっと、わかりました。アラビア数字はありがたい。 でもなんで１３がフィフっていうの？？ 横で、主人はただ笑っているだけ（ふん！） でも、コーヒーとジュースで１３ディナールとはちょっと高いね、 なんて思っていたけれど、運ばれてきたジュースを見てなんとなく納得。 キウイ、オレンジ、いちご、いちじく、あと、わからないけれど、五層になっていた。 それも、少し、固まりも入っていて。

もっと色はきれいかったよ、ミックスジュース。 混ぜるのが惜しくて、ストローで順番に飲んだ（＾＾）

そして鍵がかかったトイレを借りて、 （トイレおばさんにカフェで飲んだといちいち断らなあかん） 今、来た坂道を、待ち合わせの場所までゆっくりと見物しながら下ってゆく。 途中に、ドーナッツやさんがあって（ひとつ0.5ディナールと安い） さっき、ジュース飲んだばかりだったけれど、 あまりおいしそうにみなが食べながら歩いているので、 半分こしたらいいやんってことでひとつ買う。 食べながら歩くというのは、海外だからできることやね。 ここの客引きもすごい。 あっ、モザイクが売っていると思って、ちょっと見ると、 腕を引っぱられて、奥へ連れて行かれる。 えって思って、わたしも主人の手を引っぱる。 一人で連れ込まれてしまうのは、怖いもん。 で、相手が階段を下りると、わたしたち二人も降りなきゃならない。 もう、買ったからいらないって言ってるのに、 つぎつぎと、あっちこっち上がったり降りたり、 でも、そのお陰で、店の表は小さいけれど、 中は地下から二階まであって、広いことがわかりました。 まだ、なんかぐずぐず言っていたけれど、本当に、 いろんなものが、安かったけれど、きっぱりお断りしました。 ちょっと日本語なんか、いれて、商売上手な人だったけれど・・・ でも、義理の人のお土産は、こんなところで買えばよかったかも。 でも、うしろから肩を抱くのは、やめてほしい。 何回も振り払ったけれど、向こうも負けてなくて、 何かにつけて、肩を両手で抱きに来る。 これってむこうの流儀なのだろうか？？ でも、モザイクの壁掛けは、アントニヌスよりずーっと安かったねって言えば、 主人が、ここのは、一回り小さいし、作り方もちょっとちゃちぽいって慰める。 まあ、そう思わなきゃ、やってられないわね・・・ためいき 約束の時間に、博物館へ行って、みんなと一緒に下まで降りる。 降りる時は、わいわいと話しながらだからあっという間に降りてきた。 デーツを預けていた人は、ここで受け取って、レストランへ。 今夜は、シーフードサラダ、魚（ムニエル）、シャーベット。 テーブルの誰かが言った。このレストランの上が、 さっきのカフェ・シディ・シャバーンですよって。 ということは、山の上からぐるりと回り道をして、ここへ来たんだ。 もしあのまま、降りていたら、もっと早くここへ来た？って聞くと、 急な山道で、よけいに疲れたのではないかと、テーブルの人たちの結論でした。 急がば回れってことでしょうか・・・ カフェ・シディ・シャバーンで休憩したのは、結局、わたしたち夫婦ともう一組の夫婦だけ。 一人参加の人たちは、上から眺めただけで、行かなかったみたい。 その分、ショッピングを楽しんでいたのでしょう。 このツアーは、19人で、夫婦二組、兄弟一組、親子一組、 一人参加の女性八人、一人参加の男性三人でした。 なかなかバラエティーに富んでました。 誰かが、スピード違反で、捕まったドライバーさんのために、 寄付しませんかと言って、一人三ドルずつ集められた。 これで、ドライバーさんの心も晴れるでしょう。 これまで、朝早くから、夜遅くまで運転をしていてくれたのだから、 そしてバスを、降りるたび、「気をつけて」 帰ってくれば、いつも笑顔で迎えてくれた人だから、 だれもかれも、よろこんで寄付をしました。 最後の日、お別れの飛行場で、ビックリさせるつもりらしいです。 今日はなんしか疲れました。あとはホテルへ帰ってシャワーを浴び、 帰国のための荷物整理。手荷物にするものと、スーツケースに入れるものに、 ちゃんと分けて、ワレモノを壊れないように、詰めるだけです。 でも一部の人と、添乗員さんは、えらい目に遭ってはったようです。 ６：００モーニングコール、５：００〜朝食　７：１５荷物出し　７：５０出発